更新日:2026年10月31日
先に結論です。
社労士事務所と司法書士事務所のホームページは、どちらも「事務所案内」「業務内容」「料金」「相談の流れ」「よくある質問」「お問い合わせ」の6つのページがあれば、相談する前に知りたいことはおおむね伝わります。
そのうえで、社労士は会社の経営者や人事の担当者に向けて「顧問契約と手続きの範囲」を、司法書士は個人と会社の両方に向けて「報酬と実費の違い」を、分かりやすく書くことが大切です。
社会保険労務士と司法書士は、どちらも書類の作成や手続きを仕事にしていますが、ホームページを見に来る方はかなり違います。社労士のホームページは会社の経営者や人事の担当者が、司法書士のホームページは相続や不動産のことで困っている個人の方と、会社の登記が必要な経営者の両方が見に来ます。
この記事では、両方の事務所に共通して必要なページと、それぞれのホームページに載せたい内容を整理しました。士業の決まりにかかわるところは、法律と各会の規程の原文で確認できたことだけを書いています。
どちらの事務所にも必要なページ
社労士事務所でも司法書士事務所でも、基本になるページは同じです。次の6ページをそろえると、事務所の情報・できること・費用・頼み方がひととおり伝わります。
| ページ | 載せる内容 |
|---|---|
| 事務所案内 | 事務所名、資格者の氏名、所属する会、登録番号、経歴、住所、地図、電話、受付時間 |
| 業務内容 | 対応している業務の一覧と、それぞれの説明 |
| 料金 | 業務ごとの料金の目安、税込か税別か、実費の扱い |
| 相談の流れ | 問い合わせから依頼、完了までの手順と、用意してほしい書類 |
| よくある質問 | 費用・期間・対応地域・オンラインでの面談など |
| お問い合わせ | フォーム、電話、メール。個人情報の取扱い |
ページを増やすなら、業務ごとの詳しいページを足していきます。たとえば社労士なら「就業規則」、司法書士なら「相続登記」のように、相談の多い業務から1ページずつ作ると、その業務を探している方に届きやすくなります。
社労士事務所のホームページに載せる内容
社労士のホームページを見るのは、主に会社の経営者や人事・総務の担当者です。「自分の会社の規模や業種でも頼めるか」「顧問契約でどこまでやってもらえるか」を確かめに来ます。
業務内容の書き方
社会保険労務士法第2条には、労働社会保険の諸法令にもとづく申請書などの作成と提出の代行、帳簿書類の作成、労務管理や社会保険についての相談・指導が業務として定められています。ホームページでは、これを経営者に伝わる言葉に置きかえて書きます。
- 手続き:入社・退社のときの社会保険・雇用保険の手続き、労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届など
- 規程づくり:就業規則や賃金規程の作成・見直し
- 相談:労働時間、休日、休職、ハラスメントなど労務の相談
- そのほか:給与計算、助成金の相談など、事務所で対応しているもの
個別の労働紛争で、あっせんなどの紛争解決手続の代理ができるのは、紛争解決手続代理業務試験に合格して付記を受けた「特定社会保険労務士」に限られます(社会保険労務士法第2条第2項)。特定社会保険労務士の先生は、事務所案内にその旨を書いておくと、相談する側が判断しやすくなります。
顧問契約の範囲
社労士への依頼には、毎月の顧問契約と、手続きや規程づくりを1件ごとに頼む方法があります。月々の顧問料に何が含まれるか(手続きの代行まで含むか、相談だけか)と、別料金になる業務を一覧にしておくと、比べる側に親切です。従業員の人数によって料金が変わる場合は、人数ごとの表にすると分かりやすくなります。
対応している会社の目安
対応している地域、従業員の人数の目安、得意な業種、オンラインでのやりとりができるか、使っている給与計算や勤怠管理のソフトなども、問い合わせの前に知りたい情報です。

司法書士事務所のホームページに載せる内容
司法書士のホームページには、相続や不動産の名義変更で初めて司法書士に相談する個人の方と、会社の設立や役員変更の登記が必要な経営者の、両方が見に来ます。入り口を分けておくと、それぞれが自分の用件のページにたどり着きやすくなります。
業務内容の書き方
- 不動産の登記:相続登記、売買・贈与による名義変更、住宅ローンを返し終えたときの抵当権の抹消など
- 会社・法人の登記:会社の設立、役員の変更、本店の移転など
- 相続の手続き:戸籍の収集、遺産分割協議書の作成など、事務所で対応しているもの
- 成年後見:後見の申立ての書類作成、後見人としての業務など
- 裁判所に出す書類の作成
相続登記は、2024年4月1日から申請が義務になりました。法務省の「相続登記の申請義務化について」では、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請することが義務づけられ、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になると説明されています。相続のページでは、こうした制度の説明を、公的な資料の名前を添えて書いておくと、読む方が安心できます。
簡易裁判所での代理
簡易裁判所での訴訟の代理などは、法務大臣の認定を受けた司法書士に限って行えます(司法書士法第3条第2項)。認定を受けている先生は事務所案内に書いておき、認定を受けていない場合は、業務内容に代理を含めないように注意します。

料金ページの作り方
料金は、相談する側がいちばん気にしている情報です。社労士と司法書士では、料金の見せ方で気をつけたいところが少し違います。
| 事務所 | 料金ページで書いておきたいこと |
|---|---|
| 社労士事務所 | 月々の顧問料(従業員の人数ごと)、顧問料に含まれる業務、スポットで頼む場合の料金(就業規則の作成、手続き1件ごとなど)、税込か税別か |
| 司法書士事務所 | 業務ごとの報酬の目安と、報酬とは別にかかる実費(登録免許税、戸籍や登記事項証明書の取得費用など)の区別、税込か税別か、事案によって変わる場合はその条件 |
司法書士は、司法書士法施行規則第22条で、業務を受任しようとするときは、あらかじめ依頼しようとする方に報酬の算定方法などの報酬の基準を示すことになっています。社労士も、全国社会保険労務士会連合会の会則第43条の3で、受任のときに業務の内容と報酬などを書面などで明示し、十分に説明することとされています。ホームページに目安を載せておけば、そのあとの説明もスムーズになります。
料金の例を載せるときは、「相続人が2人、不動産が1か所の場合」のように条件をそえると、読む方が自分の場合に当てはめやすくなります。
書き方で気をつけたい決まり
ホームページも広告として扱われるため、各会の決まりに沿った書き方が必要です。原文で確認できた決まりは次のとおりです。
- 社会保険労務士:全国社会保険労務士会連合会の会則(令和6年11月29日施行)第43条の4第3項で、誇大または虚偽の事項により相手方を欺くおそれがある方法で広告や宣伝をしてはならない、とされています。社会保険労務士法第16条には、信用や品位を害する行為の禁止もあります
- 司法書士:日本司法書士会連合会の「司法書士行為規範」(令和5年4月1日施行)第17条で、虚偽の事実を含む広告や、誤認を生じさせるおそれがある広告、品位や信用を損なうおそれがある広告をしてはならない、とされています
- 秘密を守る義務:社会保険労務士法第21条、司法書士法第24条で、業務で知った秘密を漏らしてはならないと定められています。事例を紹介するときは、依頼者が分からない書き方にします
ほかの士業の決まりも含めた広告のルールは、士業のホームページで気をつけたい広告のルールにまとめています。ご自身でホームページを作る場合の手順は士業がホームページを自分で作るときの手順と注意点をご覧ください。
※ 各都道府県の会が、別に細かな決まりを定めている場合があります。ホームページを公開する前に、ご自身が所属する会の規程を確認してください。
もう一度、結論です。
社労士事務所も司法書士事務所も、「事務所案内」「業務内容」「料金」「相談の流れ」「よくある質問」「お問い合わせ」の6ページが基本です。
社労士は顧問料に含まれる範囲と従業員数ごとの料金を、司法書士は報酬と実費の違いと、個人向け・会社向けの入り口の分け方を意識すると、相談する方に伝わりやすいホームページになります。
この記事の内容を、士業のホームページ屋さんに任せた場合の料金
士業のホームページ屋さんにご依頼いただいた場合、この記事で取り上げた項目は、それぞれ次の料金でお引き受けしています。
| この記事の項目 | 任せた場合(税別) |
|---|---|
| 基本の6ページ | 6ページ(トップ・事務所紹介・業務内容・料金・アクセス・お知らせ):30,000円 |
| 業務ごとの詳しいページ・よくある質問・お問い合わせフォーム | 8ページ以上:50,000円 |
| 載せる文章 | 今のホームページや公開されている情報をもとに、下書きまでこちらで作ります。先生には内容の確認をお願いしています |
| 公開後の料金や業務の更新 | 月5,000円(サーバー・SSLの管理、動作の見守り・不具合への対応、文言の修正・お知らせの追加、アクセス解析のサポート込み。最低契約期間12ヶ月) |
| セミナー・研修の申込みページ | 15,000円(1件・1ページ) |
| 顧問先向けのニュースレター | 月5,000円(A4両面・PDF・事務所名で毎月) |
たとえば業務ごとのページとお問い合わせフォームまでそろえる場合は、制作費50,000円と、公開後は月5,000円です。初稿はおおむね2週間でお見せし、その段階での修正は2回まで無料です。着手金はなく、お支払いは翌月末です。
ご依頼の前に、先生の事務所の見本のホームページを無料でお作りしています。見本をご覧になってから、ご依頼いただくかどうかをお決めください。